ステップ1 Define (定義)
まずDMAICのステップ1 Define について解説します。Define (定義)はプロジェクト開始時に行います。プロジェクトの内容を定義し、問題を明確化することです。この時、問題提起書、プロジェクト計画書を作成します。
まず、プロジェクトの内容を定義し、明確化します。5W1Hを意識するとよいとよくありますが、気を付けないといけないことは、
「How」はこの段階では考えない
ということです。当社では数多くのプロジェクトを支援してまいりましたが、プロジェクトの全体像を把握し、どこに問題が潜んでいるかを明確にする前に、「How」に注目してしまって対策を講じてしまうことがとても多くあります。経験が豊富な分野ではこれまでの経験で「How」は比較的思いつきやすく、決め打ちで方法を決めてしまうことがままあります。
ですので、事実ベースに基づいて問題点を明確にする作業をまず行うことが成功のための必須事項です。
まず5Wから
5Wに着目します。
Why:なぜこのプロジェクトを実行するのか
What:何をやるのか、目的、ゴールはなにか、達成基準はなにか
Who:誰がやるか、プロジェクトリーダー、メンバーは誰か
When:いつから開始するか、いつまでに完了させるか
ということをまずアウトプットして、関係者で事実を共有する、という作業に着手します。
プロジェクト定義に必要なインプット
まず対象とするプロジェクトの構築に必要なインプットを用意します。前の記事でご紹介しましたが、
・SIPOC分析
・バリューストリームマップ
・VOC
の3つです。上の二つは前の記事でご紹介しましたが、VOCについても今後の記事に追加しますが、対象としている製品・サービスについて「顧客は何を求めているのか」ということについてアンケート、市場調査、ベンチマーク調査などを行ったうえで、収集するVoice of customer(VOC)です。マーケティング部門を有していればその部門にメンバーに入ってもらいその情報を収集することです。
プロジェクト定義に必要なアウトプット
プロジェクトテーマ問題提起書
SIPOC分析、バリューストリームマップを俯瞰すると、抱えている問題の真因がどこに潜んでいるのか?なにを改善すればよいのか?ということをプロジェクトチームで議論します。ここで、明確になった問題はなにか?痛みはどこか?そしてその問題の解決目標を定義します。目標は定量的である必要があります。そしてその問題をいつまでに解決するのかを定義します。
大切にしてほしいのは、この問題定義書をプロジェクトマネージャ一人で抱え込まということです。一人に任せてしまうことが多いのですが、この時、プロジェクト責任者(チャンピオン)、プロジェクトメンバー、本社戦略部門など、このプロジェクトに参画するメンバーで共有して、何回もブラッシュアップする必要があります。
VOCからのCTQのドリルダウン
インプットとして収集したVOCからCTQ ( Quality To Customer)を定義します。リーンシックスシグマの重要な定義でも、「顧客が必要としていないもの」に関する事柄はムダである、があります。ここではこのプロジェクトにおいて、もっとも大切な品質とは何か?ということを定義します。
プロジェクト計画書
上の二つを作成したうえで、このプロジェクトの計画を立案します。5Wを織り込んで契約書を作成します。計画書のフォーマットはガントチャートが一般的ですが、TOC(制約条件理論)なのではCCPMなどのツールも活用されています。
まとめ
DMAICの第一ステップD Define (定義)についてご紹介しました。
次は第二ステップの M Measurement (計測)についてご説明します。
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