Power Automate DesktopでPDFを読み込んでエクセルに転記する

みなさんこんにちは。当社ではPower Automate Desktop(以降PADと呼びます) ユーザー様に、ブログ、オンラインレッスンを通して「実務で絶対必要な」フローをご紹介しています。今回は、ほとんどの企業で実際に行っている作業をご紹介します。

PDFで表データを受け取って、エクセルに転記する

という作業です。これ本当に多いです。当社のお客様から頂くご相談のトップ3に入ります。データの提供元もおそらくエクセルで作っているので、エクセルでください、とお願いしても諸事情があってなかなかできず、毎月届く請求書などのデータをPDFからエクセルに転記している、という業務がルーチン化しているというお声をいただきます。さらにこれが月次処理で月末までに入力しなければならない、となると当然そのプレッシャーから、転記ミスが生じ、後工程に渡した後、ミスが発覚して火の手が大きくなる、という問題にもなっているようです。

そこで、今回は

「PDFデータ(但し、FAXデータを除いて)をエクセルに転記する」という、PADプログラムをご紹介いたします。

 

業務のフロー

メールなどで受け取ったPDFデータ

表データを読み込んでPADのデータテーブルに格納する

エクセルを開いて、データテーブルをエクセルシートにコピーする

エクセルの名前を付けて保存する

 

プログラムの作成

準備

デスクトップにデータを読み取りたいPDFを置いてください。

次、PADを立ち上げPDF2EXなどの名前でフローを作成し、フロー画面を立ち上げてください。

プログラムの作成

PAD画面の左側の「アクション」にあるPDFをクリックしてください。すると下に実施できるPDFの操作が表示されます。

「PDFからテーブルを抽出する」をドラッグして画面中央にドロップしてください。

PDFファイルのドキュメントのアイコンをクリックして入力したいPDFを選択してください。本レッスンでは過去レッスンで使ったエクセルをPDFにしました。保存をクリック。これを実行すると。ExtractedPDFTablesという変数が作成されます。

次にエクセルを起動します。PAD画面の左側のアクションにあるExcelをクリックしてください。すると下に実施できるエクセルの操作が表示されるので、

「エクセルの起動」をドラッグして、画面中央のプログラムの1行目のしたにドロップしてください。

 

次にデータテーブルをエクセルに書き込みます。エクセルの欄から、「Excelワークシートに書き込む」をドラッグして、中央のプログラムの2行目の下にドロップします。

ココがポイント!

この画面で書き込む値は

%ExtractedPDFTables[0].Datatables%

です。ここが違うとテーブルを正しく読み込めません。

ここで挫折する方も大変多く、今日のレッスンの山です。

書き込みモードは現在のアクティブなセル上として、保存をクリック。

 

最後に「エクセルを閉じる」をドラッグして、中央のプログラムの2行目の下にドロップします。

エクセルを閉じる前は「名前を付けてドキュメントを保存。

ドキュメントパスはデスクトップに任意の名前を付けてください。

 

これでプログラムは完成です。

 

プログラムの実行

 

プログラムを実行します。入力PDFはこちら

出力されたエクセルはこちら。

まとめ

本日は、メールなどで受信したPDFを一発でエクセルに転記するフローをご紹介しました。これを上手に活用すると、こういった業務をこなしている方のかなりの作業時間を短縮できると思います。是非ご活用ください。

 

プログラムを差し上げます。

今回のレッスンで作成したプログラムを差し上げます。テキストの内容をコピーして、PADのプログラム画面にペーストすれば簡単に流用可能です。

 

プライベートレッスン、グループレッスンのご案内

PADをもっと知りたいけれど、実際にやりたいことがわからなくてどんなレッスンを受ければいいかわからない!とお悩みの方はいらっしゃいませんか?当社では、お客様の課題を伺ったうえでプログラムを作成し、そのプログラムを使ったオンラインレッスンをご提供しています。詳しくはお問い合わせください。

 

 

免責事項

このブログで作成したプログラムは著作権フリー利用可能です。ただし、このプログラムを流用、改変して実施することによって生じた問題について責任は一切負いません。上記プログラムのコピーは免責事項について承知いただいたうえで実施するものといたします。

 

 

 

「のとのかけはし」プロジェクトのご紹介

みなさんこんにちは。社長のALEXです。

 

今年の元旦に発生した能登地震。被害の大きさもさることながら、日本に誇る輪島塗と呼ばれる漆芸関係者にも大きな影響を与えています。

そんななか、関係者の窮状を見て、山形市の東北芸術工科大学の松本講師が、学生たちと共同で「のとのかけはし」というプロジェクトを立ち上げたそうです。

 

漆塗りの「のとのかけはし」で漆芸従事者を支援 芸工大の学生と講師

芸工大の学生さんたちと松本講師が能登ヒバという木材を作って、漆塗りの箸を200膳作成し、これをインターネットオークションで出品する、というもの。

当社も関係者からこのことを知り、早速オークションにベットした。まだ数に余裕があるそうなので、ご興味ある方は上記記事を読んでください。

ちなみにオークションサイトはこちら

 

<お断り>

本件について、当社はオークションの周流には一切関わりがございません。

 

 

 

当社の経営ダッシュボード自動化のご紹介

みなさんこんにちは。社長のALEXです。当社はDXコンサルティングを提供しております。数多くのクライアント様とDX導入を試み、うまくいった案件もありますが、壁を突破しきれなかった案件もあります。そんな経験の中で、今回はどの企業様でもかならず行っている毎月のルーチン業務をいかにして回すか、という事例を当社の導入事例をご紹介します。

 

月次ルーチン業務

下は毎月(末日31日として)の各部門がルーチンとして行っている業務で、表に記載しているものが自動化された業務です。

社長 経営企画部 人事部 経理部 営業部
ツール power BI
生成AI
Power BI クラウド給与、powerApps クラウド会計 powerApps
1 月次経営会議(PM) 月次経営会議資料(BI) 勤怠データ締め→給与計算入力
人件費実績集計差異分析
月次経費締(銀行API、カードAPI、SUICA API) デイリー受注締め
月次売上実績差異分析
2 デイリー受注締め
3 デイリー受注締め
4 デイリー受注締め
5 デイリー受注締め
6 デイリー受注締め
7 デイリー受注締め
8 デイリー受注締め
9 デイリー受注締め
10 デイリー受注締め
11 デイリー受注締め
12 デイリー受注締め
13 デイリー受注締め
14 デイリー受注締め
15 月次中間経営会議 月次中間経営会議資料(BI) 月次経費中間締め デイリー受注締め
月次中間売上粗利締め
16 デイリー受注締め
17 デイリー受注締め
18 デイリー受注締め
19 デイリー受注締め
20 デイリー受注締め
21 デイリー受注締め
22 デイリー受注締め
23 デイリー受注締め
24 デイリー受注締め
25 翌月シフト組→人件費概算出力 デイリー受注締め
26 デイリー受注締め
27 デイリー受注締め
28 デイリー受注締め
29 デイリー受注締め
30 デイリー受注締め
31 月次売上、粗利益締め

 

経営トップからブレイクダウンして、どんな業務が自動化されたかご紹介します。

 

社長

私です。どの企業も当月の業績は月末の数字が締まったら経理部門が経理、人事部門が勤怠のデータを締めて集計し、経営企画部門に報告。経営企画部門は全部門の情報を収集しし役員会資料として翌月10日頃に経営陣に出します。当社もそうですが、ほとんどの企業でデータはERPやクラウド経理、クラウド勤怠などからデータをダウンロードして、結局エクセルのバケツリレーです。おまけに人がやるものだから、転記漏れなどがあり、どうやっても10日頃になってしまいます。しかし、前の月の結果が半月後に出てきた時点ではもう時遅し、「死亡診断書」でしかありません。私が勤め人だったころに事業部長として役員会で報告するときには「今月の目標を達成しました」「目標達成できず申し訳ございません」というしかありませんでした。

そんな経験もあり、経営ダッシュボードのKGIは「前月の実績翌月1日午前中に完成し、1日PM13:00 に役員会開催。おまけに当月の15日に中間役員会を行ってフィードバックする仕組みを構築する。」

このお話を当社のクライアント様にすると「いいんだけど、なかなかむつかしいねえ」等反応がほとんど。費用もかかるし幹部のITリテラシーが低くむつかしい。という顔をなさります。

お客様はそうでも当社はできました。当社のメンバーは私と長年こんな問題をクリアしてきた協力チームなので、みなやりましょう!!と答えてくれました。まあ、トップの意思次第というのはまさにその通り。

 

最終的には、当月15日に中間、翌月1日に月次採算資料がBIツールで生成されました。役員会も今ではオンラインでBIダッシュボードを共有しながら30分で行っています。各部門の報告は現在生成AIを使って自動生成にトライしています。

 

経営戦略室

次に経営戦略室の仕事。ここは、経費処理締めデータが経理から、勤怠データ締めデータが人事から送られてきますが、基本的には毎月同じフォーマットのエクセルに毎月の数字の転記、と講評の記入、当月のトピックスの記入だけでした。これはRPAの得意作業です。当月のトピックスだけ、Teamsのグループチャットに#経営資料トピックス というハッシュタグをつけて入力すれば、自動的にRPAがコピペしてくれます。

 

今まで、エクセルのバケツリレーの元締めだった経営戦略室長も、月末月初のプレッシャーのかかる仕事から解放され、一段上の目線で1日午後の役員会議で決めることに時間をさけるようになりました。

 

次は経営戦略室にデータを送る、人事部、経理部の仕事です。

人事部

人事部で毎月行っているのが、月次勤怠の締めです。今までは出社するとQRコードを読みとってGoogleフォームに入力し、勤怠データをスプレッドシートでダウンローとして自動集計していましたが、「Googleフォームに入力すること自体面倒だ」という声があり、結果社給SUICAを使って自動集計する仕組みを持ったクラウド勤怠に移行しました。

毎日の勤怠のデータの承認と間違った時の差し戻しがアナログ仕事として残りましたが、そのほかはAPI連携で自動化されました。また、翌月のシフト組みをクラウド勤怠の機能を使うので翌月の人件費見込み額もほぼ自動化で計算できるようになりました。

 

経理部

私は勤め人時代に経営戦略室、経理部におり、この情報処理がいかにアナログのたこつぼ労働集約業務なのかを肌身で感じていました。特に経理部では月末月初に加え期末期初に繁忙期が重なり、この仕事の負荷のため若くて有能な経理パーソンが退職してしまうのを見ていました。まずやってもらったのが経理レス。

従業員の交通費はすべて社給SUICAにしました。外出時の公共機関の支払いに事後の生産が不要になりました。次に支払いをコーポレートクレジットカードとし、API自動連係で仕訳できるようにしました。Amazonも会社のクレジットカードに紐づいたアカウントで購入してもらいました。

「承認はどうするんですか?」という質問が従業員からありました。これは、Teamsチャットで事前承認にしました。金額ごとに申請する階層を決めることで解決しました。

そのほかの支払いも会社の口座に紐づけて行っているので、基本自動化しました。

 

営業部

会社の売り上げという収入をコントロールしてくれている部門。ここにはだいぶ前からCRMが入っているので、毎日売り上げと粗利は確実に読めていました。なので、このデータをAPIからもらうだけなのでほとんど何もしていませんでした。

 

導入6か月で稼働

そもそもDXコンサルティングをやっているので、システム構築に時間がかかってはしょうがないということもあって要件定義からデプロイまで6か月で仕上げました。ただPowerAppsは当社ではエンジニアがおらず外注を考えましたが、費用納期で厳しく、結果社長の私が、Goolge先生、Udemy先生に弟子入りして作り上げました。

 

導入効果

・当月の業績を月中、翌月1日に把握できるので意思決定スピードが他社より1か月早くなりました。

・システムの安定稼働のお陰で、各部長にクリエイティブな仕事をしてもらうようになりました。

・お客さんへの提案のフォーマットが開発できました。

 

お問い合わせはお気軽に

DXという言葉が、すでにコモディティ化していますが、導入はなかなか大変です。目的が途中からツールの導入になってしまい、空中分解してしまうことも多々。

 

現状の仕事の仕組みをそのままDXにするのは不可能です。まず、FIT&GAP(どれくらいDXがフィットするか?ギャップはなにか?)を明確にしてからのアプローチが必須です。

ご相談を受け付けております、お気軽にどうぞ。

【超基礎編】Microsoft Power Automate(フロー版)を使ってメールを自動送信する

みなさんこんにちは。

 

当社では、Microsoft Power Automate(フロー版)と、Microsoft Power Automate Desktop(デスクトップ版)をご利用の皆様に情報を提供しております。

 

今回はMicrosoft Power Automateフロー版(以降PAと呼びます)を使ってメールを自動送信する①をお送りいたします。PAはMicrosoft社のオンラインアプリと連動し、ユーザが日常行っている作業を大部分自動化してくれるというというとても便利なツールです。下は、PA の作業画面です。

 

左のメニュー画面のテンプレートをクリックすると、ご覧のようにMSさんが作ってくれたテンプレートがずらーっと並んでいます。これを全部使えると、本当にほとんどの業務が自動化できると思います。MS社はほとんどPAで業務を自動化しているのでしょう。

 

当社も、PAとPADの導入コンサルティングをしていますので、かなり自動化が進んでいます。しかし、MS社の囲い込み戦略は某G社のサービスへの対抗戦略だと思います。

 

では早速始めてみましょう。本編はPAに初めて触れる初心者の方、PAのテンプレートを使っても動かない、また細かな設定で分からなくなってしまって困っている初級者向けの記事ですのでご了承ください。

 

前提条件

PAはマイクロソフトのクラウドサービスに一つのアカウントで利用できる状態になっていることが前提条件です。

 

M365のライセンス契約を行っており、メールはoffice 365 outlookが利用できることを前提としています。事前にoffice 365 outlookにログインできていることを確認してください。

 

フローを作る

まず、PAのデスクトップが使える状態になっている前提でお話を進めます。下がデスクトップ画面です。

メニュー左側の「作成」をクリック。

画面に、「フローを作成するための3つの方法」の一つ目の ―からの方法の左から二番目の「インスタントクラウドフロー」をクリック。今回のレッスンは「手動でトリガー」を使ってプログラムを作成します。

 

トリガーとは引き金の意味で、フローの起点になる最初の命令です。

下の画面が表示されます。まず、フロー名に名前を入力します。例としてメールを送信としました。次にこのフローをトリガーする方法を選択します。の項目は一番上の「フローを手動でトリガーする」をチェック、最後に一番下の「作成」をクリックします。

次に、トリガー以降のフローを追加していきます。下のような画面になります。フローの最初に「フローを手動でトリガーする」というフローが表示されます。

その下にある +を〇で囲ったアイコンをクリックすると、アクションの追加というボックスが現れるので、これをクリックします。

すると画面左側に「アクションの追加」という画面が出ます。この一覧をスクロールして、「Office 365 Outlook」をクリックします。

すると、同じ画面でOffice 365 Outlookのアプリ内で実行できるフローが表示されます。

この中からメール送信(v2)をクリック。

次にメールの送信(V2)の詳細設定画面が表示されます。今回はテストメールですので、

画面に送信先のメールアドレス、件名、本文を入力します。

ここでメールアドレスの入力方法は注意してください。

宛先の欄をクリックすると、下にカスタム値の入力という項目が表示されるので、まずこちらをクリックしてください。

例として、test@testmeil.comと入力してみました。すると、test@testmeil.comをカスタム値として使用する。という欄が出ますので、こちらをクリックしてください。今後、エクセルなどからアドレスを変数として入力する場合は、この作業は不要ですが、今回メールアドレスを手動で入力する場合は必ずこの操作を行ってください。

 

入力が完了したら、入力部分の外側をクリックします。「設定」というようなアイコンはなく、画面中央~右側をクリックするとフローが閉じられるようになっています。そして画面中央の保存をクリックしてください。

これで入力は完了です。

 

テストを実行しましょう

保存が無事完了すると、画面上部に「フローを開始する準備ができました。テストすることをお勧めします。という表示が出ます。」

 

画面右側の「テスト」をクリックするとテストが実行されます。手動のマークにチェックを入れて、下の「テスト」をクリック。

 

 

次に「フローの実行」という画面にきりかわります。メール送信者氏名、サインイン状態

が表示されます。使用するOffice 365にアクセスできるようになっていると、アクセス許可、緑色のチェックボックスが表示されます。ここが完了していないとフォローを実行できないので注意してください。では、下の続行をクリック。

 

もう少しです!「フローの実行」画面に切り替わるので、下の「フローの実行」をクリック。実行時間は一瞬なので下の画面に代わります。完了をクリック。

 

 

Outlookを確認

無事完了しました。それでは、Outlookを見てみます。受信トレイにメールが届いています

これで無事、フローが動作することを確認できました。

 

クラウドフローから実行する場合

上記はテストですが、今後本格的に運用する場合は、クラウドフローから実行します。PAの左側のメニュー画面のマイフローをクリックすると、下のような画面に戻ります。そして、フロー名にマウスを移動すると下のような画面になります。

再生ボタンを押せば、フローが実行されます。

また、フロー名をクリックすると、このフローのステータスが表示されます。

実際に運用していく場合に、動作をチェックするダッシュボードですね。

 

まとめ

今回は「【超基礎編】Microsoft Power Automate(フロー版)を使ってメールを自動送信する」をお送りいたしました。このPA関連の情報は数多く記事や動画がありますが、その通りにやってもなかなかうまくいかないというお声、実際に自分でやってつまずいたところを網羅しました。お役に立てれば幸いです。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

 

プライベートレッスン、グループレッスンのご案内

PAをもっと知りたいけれど、実際にやりたいことがわからなくてどんなレッスンを受ければいいかわからない!とお悩みの方はいらっしゃいませんか?当社では、お客様の課題を伺ったうえでプログラムを作成し、そのプログラムを使ったオンラインレッスンをご提供しています。詳しくはお問い合わせください。

 

 

免責事項

このブログで作成したプログラムは著作権フリー利用可能です。ただし、このプログラムを流用、改変して実施することによって生じた問題について責任は一切負いません。上記プログラムのコピーは免責事項について承知いただいたうえで実施するものといたします。