はじめに
みなさんこんにちは。今回はChatGPTを使ったペルソナの作り方を解説します。ペルソナ作成のプロセスを分かりやすく説明し、マーケティングの際のペルソナ活用の重要性・や作成方法について詳しく説明します。また、実際に当社でも使っているペルソナ作成シナリオを例に、見込み客が求めている製品やサービスにヒットするペルソナをどうやって作成し、フィットさせていくかも詳しく説明します。
ChatGPTを使ってペルソナを作る
ChatGPTでペルソナを作ることができると、品質、コストの面で圧倒的に優位になります。マーケティング戦略を強力に推進することができます。高品質なペルソナをスピーディに作成し、顧客理解を深め、非常に精度の高いマーケティング施策を立案することができます。
この後、ChatGPTを使い効果的なペルソナの作成方法をご紹介します。
ペルソナ作成の手順
ペルソナ作成は以下の順番で進めます。
1.目的を明確にする
何のためにペルソナを作成にするのかということを明確にしましょう。
・ペルソナが必要な理由
・それによって達成する目標を設定する
2.情報の収集
ペルソナから描かれるターゲットユーザーに関するデータを収集します。
・顧客データ、市場分析、競合分析などのデータから収集する。
・ターゲットユーザーの属性、行動、好みなどに関する情報を収集する。
3.プロンプト作成
収集した情報を基にプロンプトを作成する。
・収集データを整理し、ペルソナ作成に必要な情報を抽出する
・ターゲットユーザーのプロフィールを具体的に表現したプロンプトを作成する
ターゲットユーザーの特定
このターゲットユーザーの特定が非常に重要です。その手法をいくつか紹介します。
市場調査
競合他社の顧客を分析します。こういった情報は実は営業部門は豊富に持っています。ただこの情報が共有化されていないので個人に属人化していることが多いです。営業部門の協力を仰いでこういった情報を丁寧に収集しましょう。
書籍やネットサービスを使って業界の情報や市場調査のデータを入手し、市場の傾向を理解しましょう。
既存顧客分析
既存顧客データを分析し、データの中から最も利益貢献している顧客層を特定します。これは、PowerBIなどのBIツールを活用できるとよいです。
顧客アンケートやヒアリングを行い、顧客が自社の製品・サービスを選んだ理由、そしで導入後の満足度や改善要望を探ります。
ターゲットユーザ―の行動・心理分析
ターゲットユーザーのライフスタイルや価値観、購買行動などを分析します。
ターゲットユーザーのニーズ、困りごとを分析します。
SNS、ウェブ分析
ターゲットユーザーが好んでいるコンテンツや使用しているSNSを特定します。
市場のセグメンテーション
収集データから、市場をより細かく層別して分類します。
セグメント毎の特徴を分析し、ターゲットユーザーとなるユーザー層を絞り込みます。
ここまでの作業をしっかり行うことができると、非常に精度の高いペルソナ作成を行うことができます。
4.パラメータの設定
販売したい製品サービスによって、ペルソナの保持する数値データが変わってきます。例えば性別、年代、収入など。こういったものをパラメータ化して設定します。
・目的に合わせパラメータを設定する
・ペルソナの粒度に応じてパラメータを調整する
5.ペルソナの生成
パラメータを調整したプロンプトをChatGPTにインプットして、ペルソナを生成します。
6.フィードバックの繰り返し
生成したペルソナを評価し、目的のペルソナを抽出できるまで、ペルソナ生成を繰り返します。
・生成したペルソナを評価し、改善点を抽出する。
・ プロンプト、パラメータを調整し、ターゲットに近いペルソナを生成する。
ペルソナ作成のポイントは、収集したデータから得られる適切な設定、最適値までのフィッティングです。
7. プロンプトの作成
効果的なプロンプトの作成は、具体的なペルソナを生成する上で非常に重要です。
プロンプトには、ターゲットオーディエンスの特定で収集した情報をもとに、ペルソナの特徴、ニーズ、挑戦、目標などを含めます。
ここで作成されるプロンプトは、ChatGPTがリアルで詳細なペルソナを生成するための基盤となります。
次に私が実際にChatGPTを使ってペルソナの作成を行ったサンプルを表示します。
【プロンプト】
あなたはマーケティングの専門家です。 以下のサービスのペルソナを作成してください。
#背景、#課題、#想定ターゲット、#解決したい課題に対する機能 を読み込んで、ペルソナを作成してください。
#フォーマットに沿って出力してください。
#背景:”生成AI使い方のリスキリング”
#課題:”生成AIの使い方を自社の社員に習得させたい”
#想定ターゲット:”大手製造業の研修担当者”
#購入している製品:”生成AIに関する教科書”
#製品を使う上での困りごと:”書籍だと深い理解ができない”
お題・ターゲット、#以降をは変えて流用することができます。またその中身を詳細なものにしていくことが大切です。
以下でその方法を解説していきます。
ペルソナの具体化
生成されたペルソナをさらに明確にするには、ChatGPTに追加の質問を投げかけることが非常に効果的です。
以下は、ペルソナの詳細を引き出すための質問例です。
1.ライフスタイル
・このペルソナは平日と週末をどうやって過ごしていますか?方は?休日の過ごし方、趣味、関心事は何ですか?
2.購買行動
・このペルソナの製品・サービス購入の主要要因は何ですか?
・このペルソナが信頼している情報源、購入時の重視点(価格、品質、口コミ等)は?
3.製品/サービス活用状況
・このペルソナが製品・サービスに求めている問題解決とは何ですか?
・このペルソナが魅力を感じている機能、満足度、不満点は何ですか?
4.心理的要因
・このペルソナが製品/サービスに見出している価値は何ですか?
・このペルソナが製品/サービスに感じている不満や懸念はなんですか?
5.コミュニケ―ション
・興味を示広告・プロモーションのタイプは何ですか?
・SNSで求める情報と共有内容は何ですか
・好ましいと感じるカスタマーサポートの方法は何ですが?
これらの質問は、ターゲットユーザーのライフスタイルや購買行動、心理的側面に焦点を当てたものです。こういった追加の質問をChatGPTに投げかけ、より詳細で現実的なペルソナ像を描き出すことがとても大切です。
今回私が生成したペルソナは業務に関することなので、<ライフスタイル>の追加質問は投げかけませんでした。
ペルソナの洗練
次にこのペルソナに対して、提供したい製品/サービスに合わせてさらに洗練させることが必要です。
目的と目標の再確認
生成AI研修サービスのためのペルソナを作成する場合、生成AIに関する情報を求めている顧客層をターゲットに設定します。
ペルソナの詳細の追加
ペルソナ「研修担当の田中一郎」に、「自分はあまり生成AIに詳しくない」「研修講師をした経験がない」などの詳細を追加します。
フィードバックと調整
実際の顧客データとペルソナを比較し、必要に応じて修正を加えます。
このようにして生成したペルソナは以下の通りになりました。
名前: 田中 一郎 (Ichiro Tanaka)
年齢: 45歳
職業: 大手製造業の研修担当者
背景: 田中さんは大手製造業で20年以上の経験を持つベテラン社員です。現在は研修担当者として、新しい技術やスキルを社員に伝える役割を担っています。最近、生成AIの重要性が増していることを受け、社員のリスキリングを進める必要性を感じています。
課題: 田中さんは、生成AIの使い方を自社の社員に習得させたいと考えています。しかし、現在使用している教科書だけでは深い理解が得られず、実践的なスキルを身につけるのが難しいと感じています。
想定ターゲット: 田中さんのような大手製造業の研修担当者。彼らは技術の進歩に対応するために、社員のスキルアップを図ることに熱心です。
購入している製品: 生成AIに関する教科書
製品を使う上での困りごと: 書籍だけでは深い理解ができず、実践的なスキルを身につけるのが難しい。
ニーズ:
- 実践的なトレーニングプログラム
- インタラクティブな学習ツール
- 専門家によるワークショップやセミナー
ゴール: 社員が生成AIを効果的に活用できるようになり、業務効率を向上させること。
製品・サービス購入の主要要因:
- 実践的な価値: 田中さんは、製品やサービスが実際の業務にどれだけ役立つかを重視します。実践的なトレーニングやインタラクティブな学習ツールが特に重要です。
- 品質: 高品質な教材やトレーニングプログラムを求めています。信頼性が高く、最新の情報が含まれていることが重要です。
- サポート: 専門家によるサポートやアフターサービスも重要な要因です。質問や問題が発生した際に迅速に対応してもらえることを期待しています。
信頼している情報源:
- 業界の専門家: 田中さんは、業界の専門家やリーダーの意見を信頼しています。彼らの推薦やレビューを参考にします。
- 同僚やネットワーク: 同じ業界で働く同僚やネットワークからの口コミや経験談も重要な情報源です。
- オンラインレビュー: 製品やサービスのオンラインレビューや評価も参考にします。特に信頼性の高いサイトやプラットフォームのレビューを重視します。
購入時の重視点:
- 価格: コストパフォーマンスを重視します。予算内で最大の効果を得られる製品やサービスを選びます。
- 品質: 高品質で信頼性のある製品やサービスを選びます。特に、最新の技術や情報が含まれていることが重要です。
- 口コミ: 他のユーザーからの口コミやレビューを重視します。実際に使用した人の意見を参考にします。
製品・サービスに求めている問題解決:
- 深い理解と実践的なスキルの習得: 田中さんは、社員が生成AIを深く理解し、実際の業務で活用できるようになることを求めています。書籍だけでは得られない実践的なトレーニングやインタラクティブな学習ツールが必要です。
- 効率的なリスキリング: 短期間で効果的に社員のスキルを向上させることが求められています。効率的な学習プログラムや専門家によるサポートが重要です。
魅力を感じている機能:
- インタラクティブな学習ツール: 実際に手を動かして学べるツールやシミュレーションが魅力的です。
- 専門家によるワークショップ: 専門家から直接学べる機会があることが大きな魅力です。
- 最新の情報と技術: 常に最新の情報や技術が提供されることが重要です。
満足度:
- 実践的なトレーニング: 実際の業務に役立つスキルを身につけられることに満足しています。
- 高品質な教材: 信頼性が高く、最新の情報が含まれている教材に満足しています。
不満点や懸念:
- 書籍だけでは不十分: 書籍だけでは深い理解が得られず、実践的なスキルを身につけるのが難しいと感じています。
- サポートの不足: 質問や問題が発生した際に迅速に対応してもらえない場合、不満を感じることがあります。
- コスト: 高品質なトレーニングプログラムやインタラクティブなツールはコストが高くなることがあり、予算内での調整が難しい場合があります。
興味を示す広告・プロモーションのタイプ:
- ウェビナーやオンラインセミナー: 専門家によるウェビナーやオンラインセミナーは、田中さんにとって魅力的です。実際のデモやQ&Aセッションが含まれているとさらに良いです。
- ケーススタディ: 他の企業が生成AIをどのように活用しているかを示すケーススタディは、実践的な価値を感じやすいです。
- 無料トライアルやデモ: 実際に製品やサービスを試す機会があると、購入の決断がしやすくなります。
SNSで求める情報と共有内容:
- 最新の技術情報: 生成AIに関する最新の技術情報やトレンドを求めています。
- 成功事例: 他の企業の成功事例やベストプラクティスを共有します。
- 専門家の意見: 業界の専門家やリーダーの意見やインサイトを重視します。
好ましいと感じるカスタマーサポートの方法:
- チャットサポート: 即時に対応してもらえるチャットサポートは非常に便利です。
- 電話サポート: 複雑な問題や緊急時には、直接話せる電話サポートが好ましいです。
- メールサポート: 非常に詳細な質問や資料のやり取りが必要な場合には、メールサポートが適しています。
ChatGPTでペルソナ作成をする時の注意点
ChatGPTを用いてペルソナを作成する際は、プライバシー保護、セキュリティ対策に十分な注意を払いしょう。
個人情報の取扱
ChatGPTを用いたペルソナ作成は、個人情報の取扱に注意が必要です。実在する人物から情報の情報をもとにする場合でも、プライバシーを尊重し、個人を特定できる情報の使用はやめましょう。
また、生成したペルソナ情報の管理にも適切なセキュリティ対策を講じます。
データ保護とセキュリティの確保
ペルソナデータの保存や共有は、データ保護に関する法規や社内規定を遵守し、情報セキュリティの確保が必須です。
オプトアウト設定
入力した情報をChatGPTの学習に使用されたくない場合は、オプトアウト設定を行ってください。
まとめ
ChatGPTを活用したペルソナ作成は、マーケティングの手法を根本的に変えつつあります。ここ1年でAIは急激に進歩しました。より実在する人物に近いペルソナ生成が可能となり、マーケターはそのデータを活用し顧客ニーズにフィットした戦略を立案できるようになります。
最後までお付き合いいただき誠にありがとうございます。
当社では法人向けの生成AI研修サービスをご提供しております。ご興味ございましたらご覧ください。