Microsoftの「Power BI」とは
Microsoftが提供するPower BIはビジネスインテリジェンス(BI)ツールです。BIツールとは、経営の意思決定に必要な情報をデータとして収集・分析・加工し、意思決定の判断を支援するツールです。Power BIは直感的な判断を可能にします。膨大で複雑なデータ分析が簡単にできるインターフェースを持ちながら、データのビジュアライゼーション(可視化)やその情報共有を効率的に行えるという特徴を持っています。
MicrosoftのプラットフォームであるPower Platformのアプリや業務に必要なMicrosoft 365と連携して使用できることも大きな特徴です。Microsoft OfficeやMicrosoft Teamsといった日常使っているツールと組み合わせて簡単に部門内外での情報共有が促進されます。データ経営を推進する企業にとって、Power BIは有用なツールであり、その重要性はますます高まっています。
Excelとどこが違うのか
こういったご質問を多くいただきます。Excelは、確かに数値の分析やバーチャート、パイチャートなどのビジュアル作成に適した表計算ソフトウェアであることは今も変わりません。セルにデータを入力し、関数を設定することで多様なニーズに応じたカスタマイズが可能です。しかし、昨今の経営に関する膨大なデータを扱うのは苦手です。データ容量が大きいと計算速度が低下したり、データをすべて処理できない状況が発生したりします。経営に関するデータは、すべてのデータが統合されているわけではなく、複雑に入り組んだデータを連携しながら分析するのは苦手なところがあります。
Power BIは膨大かつ複雑なデータをビジュアライズして分析することが得意です。データを読み込んでダッシュボードやレポートを簡単に作成できる点がExcelとの主な違いです。また、Power BIはデータ更新や大規模データをリアルタイムに分析することが得意です。
Power BIでできること
Power BIは、データの成型・ビジュアライゼーションや、ビジュアライゼーションしたデータを簡単に共有できるツールです。
データの成型・ビジュアライゼーションが得意
Power BIは、ExcelシートやCSVファイルだけでなく、データベースなどのさまざまなデータソースからの情報を取り込んでまとめ、直感的かつ分かりやすいグラフで可視化する機能を持っています。Excelが苦手とする大規模なデータに強く、大量のデータでもレスポンスよく処理することができます。
データの成型が得意です。ビジュアライゼーションを行う上で必要でないデータは列ごと削除することができます。ある期間、ある部門の売上データや特定の顧客の購買行動だけを見るよう目的に応じてフィルタリングして効率的に分析することができます。社内に分散している異なったフォーマットのデータも、キーを統合することで連携して、わかりやすく可視化できるところがPower BIの最大の長所です。
ビジュアライズしたデータを社内で広く共有できる
Power BIでビジュアライズしたデータは、PCのブラウザやスマホアプリを通じて簡単に共有できます。また、データの更新もほぼワンクリックで行うことができるので、社内のプロジェクトチームメンバーや関係者が常に最新のデータにアクセスできる点が特徴です。一度構築してしまえば、何もしないで最新の情報に更新されることが最大のメリットです。当社では、経営にまつわる重要な指標データの取り込みを全自動化し、これまでその月の経営情報を翌月の中旬に膨大な作業量をかけて集計していたものを、人の作業を介さずに日次で経営情報を更新できるダッシュボードに構築しました。
翌月後半に経営に関して重大な意思決定が必要な案件が上程されても、これだけ時間がたっては手の打ちようがないという状況であったものが、月次の中盤にその問題が発覚していれば何等か有効策を講じることができます。Power BIをうまく導入すると、圧倒的に経営意思決定が迅速になります。
Power BIの共有機能を用いて、プロジェクトチームで定期的に月次売上データやKPI進捗を可視化・共有することになり、圧倒的に業務の効率化が可能になります。おそらく日本の企業では、部課長階層の方たちが勤務時間の半分以上を使って行っていた単純作業からも解放され、より人間の知恵が必要な本質的な問題に取り組むことができるようになります。その結果、データに基づいた論理的な意思決定が促進され、組織全体のパフォーマンスが向上します。
Power BI Desktopについて
Power BI Desktopは、ローカルコンピューターにインストールして使用する無料のアプリケーションです。このツールを使用すると、データの接続、変換、視覚化を行うことができます。以下に、Power BI Desktopの主な機能と特徴を詳しく説明します。
データの接続
Power BI Desktopは、さまざまなデータソースに接続することができます。ExcelシートやCSVファイルだけでなく、データベース、クラウドサービス(例えばAzure SQL DatabaseやSalesforce)など、多岐にわたるソースからデータを取り込むことが可能です。
データの変換とクリーニング
Power BI Desktopには、Power Queryエディターが組み込まれており、データの変換やクリーニングを行うことができます。例えば、データ型の変更、不要な列の削除、複数のソースからのデータの結合などが可能です。これにより、データを分析に適した形に整えることができます。
データのモデリング
データモデリングツールを使用して、複数のデータソースから取り込んだデータを統合し、関係性を持たせることができます。これにより、複雑なデータセットを一元管理し、効率的に分析することができます。
ビジュアルの作成
Power BI Desktopでは、さまざまなビジュアル(グラフやチャート)を作成することができます。ドラッグアンドドロップのインターフェースを使用して、データを視覚的に表現することができ、直感的にデータの傾向やパターンを把握することができます。
レポートの作成と共有
作成したビジュアルを組み合わせて、複数ページにわたるレポートを作成することができます。これらのレポートは、Power BIサービスにアップロードすることで、組織内の他のユーザーとリアルタイムで共有することができます。
また、レポートはPCのブラウザやスマホアプリを通じて閲覧できるため、いつでもどこでも最新のデータにアクセスすることが可能です。
高度な分析機能
Power BI Desktopは、クイックメジャー、グループ化、予測、クラスタリングなどの高度な分析機能を提供しています。これにより、データから隠れたパターンを見つけ出し、実用的なインサイトを得ることができます。
Power Queryについて
Power Queryは、Power BI Desktopに組み込まれているデータ変換とデータ準備のエンジンです。Power Queryを使用すると、さまざまなデータソースからデータを取得し、変換、クリーニング、統合することができます。
データの取得と接続
Power Queryは、Excelシート、CSVファイル、データベース、Webデータソースなど、さまざまなデータソースに接続できます。これにより、必要なデータを簡単に取得し、分析に使用することができます。
データの変換とクリーニング
Power Queryエディターを使用すると、データの変換やクリーニングを直感的に行うことができます。例えば、列の追加や削除、データ型の変更、フィルタリング、結合、ピボットなどの操作が可能です。これにより、データを分析に適した形に整えることができます。
自動化と再利用
Power Queryで定義した変換手順は、自動的に保存され、再利用することができます。これにより、同じデータ変換を繰り返し行う必要がなくなり、効率的にデータを処理することができます。
高度な機能
Power Queryは、M言語という独自のスクリプト言語を使用して、より高度なデータ変換を行うこともできます。これにより、複雑なデータ処理やカスタム変換を実現することができます。
弊社では、PowerBI利活用支援サービスを提供しています。